Archive for the ‘撮影舞台裏’ Category

SlickforceStudio ModelKampにて次時代の大スター発見!

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2008年、SlickforceStudioチームと私はModelKampをスタートしました。数年にわたり、モデルの方々から彼らのポートフォリオのみでなく、彼らの雑誌の動向や、入れ替えの早いモデルの世界での働き方などのアドバイスを求められてきました。Slickforceブランドから派生したモデルキャンプは、怪しいプロデューサーのいわゆる「スーパーショット」と題し、結局何の結果も得られない撮影を経験してきたモデル達の間で大ブームとなりました。私達は常に業界、自分達は世界ナンバーワンの撮影スタジオであると自負してきました。そのため、「全てのモデルキャンプを完了させる」ことは、特に雑誌、モデル界での私達のポジションを考えると極自然なステップでした。

 

この10月の第6回ModelKampは開催2ヶ月前に完売しました。金曜日、業界からのパネラーの挨拶とともに、3日間に渡るワークショップが始まりました。はじめに、私は新しいモデル達に、ポートフォリオ作成、カメラマン、スタイリングスタッフとの働き方、雑誌撮影のコツについて話しました。そして、20冊もの雑誌の表紙を飾り、その後女優に輝いたビダ・ゲラが彼女のキャリア、モデル界での落とし穴回避法、ハリウッドにて自分自身を保つ方法を紹介しました。ビダの公演後、SHOW出版社のショーン・カミングスが彼が担当する雑誌、モデルに求めるもの、早くからビジネスで成功する方法、忍耐力の成果について語りました。最後に、モデル達はスタイリストとともに次の2日間に使う衣装を選択しました。

 

土曜日、朝早くからSlickforceStudioでの私、雑誌カメラマンクリスチャン・エイリアス、チェリー・ガードナーによる丸一日間の撮影に訪れました。モデル達がプロモデルの撮影現場を見るためにカバーモデルブリタニー・デイリーがセットに登場しました。そしてブリタニーと私はファッション、グラマー、ヘッドショットにおいてのポーズ、表情についての指導を行いました。

 

日曜日、モデル達は最終日の向け準備万端でした。私達は朝5:30からワゴンに乗り込み、美しいモハーヴェ砂漠、Slickforceのアルティメイト・グレイブヤードへと向かいました。そこでモデル達は、通常、有名人らのファッション、グラマー撮影に携わる3人のトップカメラマンとともに大スケールの撮影を経験しました。私にとって、人をこの砂漠に連れてくる時間は素晴らしい一時です。というのも、彼らが興奮している様子を見ていると私が初めてカリフォルニア砂漠を目にし、一目惚れした時のことを思い出させてくれます。

 

そろそろ夕暮れに包まれた時、一人のモデル、Y・ボンがこれまでになく自分に自信を持てたこと、彼女の新しい家族の元を離れる悲しみを語りながら、私に涙ながらにお別れのハグをしました。私は、彼女に彼女自身はいつでも私達Slickforce家族の一員であることを話しました。それでも、彼女の行動は暖かい思い出であり、だからこそ私はこの会社を誇りに思うことができるのです。

 

あれやこれやで、モデル達は少なくとも6ポーズ、700枚以上のリタッチを含めた写真撮影を終了しました。この日、私達は11人のモデルを様々な雑誌へと輩出し、その内2人は表紙を獲得しました!第7回ModelKampの予約が今週スタートしました。より詳しい情報はModelKamp.comにて!

 

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カーダシアン姉妹と撮影遊び QuickTrim

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Three's Company

2010 年はQuickTrimの年でした。2009のQuickTrim撮影には常に美しいキム・カーダシアン一人で充分でした。そしてまた幸運なことに、10商品以上の撮影を親会社のVitaQuest、代理店GNCから受けることができました。

 

アーカイブからやっとのこと先日マイアミで行った撮影のSlickforceStudioアシスタントゲイブ・パーラーによる素晴らしい の写真を掘り出してきました。この日の撮影は特に面白かったことを覚えています。というのも、3人のカーダシアン姉妹を私のカメラに収めるチャンスなんてなかなかありません。もはやカーダシアンの日食とも言うべきでしょうか。なかなか見ることはできないが、もし見ることができれば、まるで魔法をめにしているかのようです。

 

Keeping Up with the Kardashiansのスタッフも彼らの表紙の撮影のため現場にいました。この表紙の撮影にはいつも複雑なセットが必要です。キム・クロエ・カートニーそしてクリス、この一年間ともに働けたこと感謝しています。これからもよろしくお願いします!

 

クレジット:
舞台裏シーン写真: ガブリエル・パーラー
メイクアップ: マリオ・デディバノビック
ヘアー: ロブ・スチッピー

クロエ・カーダシアン「Celeb Life」へクラシックビューティー

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2010年4月、雑誌「Celeb Life」のためクロエ・カーダシアンの撮影を行いました。この撮影は、私がケニアでの1ヶ月にもわたる旅に出る前の最後の撮影だったため、鮮明に記憶に残っています。

 

私にとってクロエとの仕事は常に楽しみでいっぱいです。それは素晴らしい写真が撮れるということはもちろん、それ以外にも彼女自身が非常に面白く、寛大で、また現実的な性格の持ち主だからです。この撮影はクロエとの初のファッション写真でしたので、特に楽しみにしていました。天才スタイリストモニカ・ローズはいつも通り見事な衣装を手がけ、マリオ・デディバノビックは完璧なメイクアップを施してくれました。

 

ロケーションは 「Maison 140」というビバリーヒルズの美しいブティックホテルでした。この場所は今までで最も小さいスペースで、私にとってもユニークな挑戦となりました。私の普段のセットアップでは撮影できないほどのスペースです。ですがそれでも、リードアシスタント・クリスチャン・エイリアス、アシスタント・チェリー・ガードナー、デリック・エスクリッジ、インターン・アーシャ・キャットリングを率いる優秀なSlickforceはいつも通りの活躍を見せてくれました。

 

完成写真、クロエの期待以上に活躍し、エネルギーに満ちた表情を写真に出してくれたことに非常に嬉しく思っています。間違いなくクロエのこれまでの写真の中でも一番だと言えるでしょう。

 

デリック・エスクリッジはプロダクションスティールにて素晴らしい 働きを見せてくれました。

 

スーパースターメイキング: ケンダル・ジェンナー, Part 1 of 2

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普段共に仕事をし慣れた仲間が、ある日大スターになるなんてことはなかなかありません。もちろん、その仲間が元々スターであれば話は別ですが…しかし、いつか人々がこの写真を全ての始まりとして振り返る日が来るのだと確信できるように、写真においては特別な力が存在します。

 

先週、クリス・ジェンナーとカーダシアン一族の企画者兼、女性リーダーから彼女の娘(ケンダル)のウィルヘルミナ・モデルブックへの撮影依頼を申し込まれるという幸運が私に舞い込みました。彼女は先日のキム、クロエ、カートニーへの撮影振りを非常に気に入ってくれたようで、今回のケンダルにも同じように撮影してほしいとのことでした。驚くべき事実に彼女はまだ若干14歳とのことです。

 

ケンダルは非常に強い気持ちの持ち主でした。水に濡れたり、鋭い岩の上に乗り上がる撮影などにも純粋に首を縦に振り、アートになり得る撮影であればどんなものでも受けると答えました。姉妹らのこともあり、彼女のことは簡単に信頼することが出来ました。ウォーミングアップなんて意味がないですし、どのモデルにも行うように、まず最初に彼女にも一番難しいものを要求しました。彼女を太平洋に浮かぶ岩の上へと案内したところ、荒波が彼女の背中を打とうとも、ケンダルは見事な表情の明るさとともにプロフェッショナルなポージングを見せてくれました。

 

これ以降の撮影に関しても素晴らしいものが続き、ケンダルの一つのセットで学んだことをすぐさま次のセットで実行できる学習スピードの速さには驚愕させられてばかりでした。モデルには21歳(私の撮影における平均年齢)までに、各自、鏡などを使って自らのポージングをチェックし自分のスタイルを持ち合わせてもらいたい考えています。しかし、有名モデルの血を受け継ぐ彼女は、14歳で今までにほぼ経験が無いにも関わらず、彼女の才能は場外ホームラン級のものでした。

 

 すでにE! News、 People、 In Touch、 Extra、Access Hollywoodなどで特集されているように、このショットが巻き起こした、大旋風は私が予測できるものではありませんでした。この写真は若いモデルにとっては刺激的過ぎると感じた人もいたようです。(サンプルビデオはこちらから) ですが、フェアに考えるには、ファッションモデルとグラマーモデルの間にしっかりとした区別を付けるべきではないでしょうか。アドリアーナ・リマ、ブルック・シールド、ミランダ・カー(挙げればキリがないですが)の若い時代に目を向けると、彼らの雑誌は16歳未満でもありながら、それこそ刺激的なもので埋め尽くされています。そしてそれらが彼女らをスーパーモデルへと導いたのです。私の意見としては、その写真が趣味よく撮るれている限り、分厚い服を着てようが、水着であろうが変わりありません。この写真はPG-13に合わせた、健康的な撮影を意識しました。

 

この撮影に際し、スタイリストモニカ・ローズには特別な感謝を述べなければならないでしょう。彼女はいつものキムに対しての衣装のようにすばらしく、そしてパソコンにて全てのフレーム映りが完璧であるかを確認することはもちろん、ケンダルを暖めようと、ローブとタオルを抱え、震えながらも寒いビーチで待ち続けてくれました。本当に最高です!XO

 

クレジット:
衣装スタイル: モニカ・ローズ
メイクアップ: ジョイス・ボネリ
ヘアー: ロブ・スチッピー
プロダクションスティール: デリック・エスクリッジ & クリスチャン・エイリアス

Slickforce アマルフィ海岸に大集合 SHOW イタリア!

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世界を旅し、クリスタル色の水、完璧な気候、歴史的な建造物を持つ場所での撮影は写真家にとっての大きな夢でしょう。そのため、SHOWの出版社から新星スターローラ・ドレの海外での撮影を依頼されたとき、私はイタリアを提案できることに非常に幸せでした。

 

ここ数年間の間に、イタリア旅行のためには2008年の歴史チャンネルにおいての地底都市の撮影をはじめ、多くの口実を考えてきました。 それからというもの、6回の行き来を繰り返し、その都度イタリア語の向上にも励みました。そして一度この雑誌のコンセプトが掲げられてから、私はすぐさまプロデューサーモードへと突入しました。

 

 アマルフィ海岸はその美しい景色と並ぶほど、古い世界をイメージさせる雰囲気も世界的に知られています。撮影に充分な時間が得られないことは承知していたため、私は他の撮影スタッフよりも1週間早く現場に向かい、ローマでの撮影スポットや証明器具の偵察を行いました。本当はフルスケールでのSlickforce撮影を行いたかったのですが、アメリカから全ての重器材を持ち込むことは不可能でした。撮影場所を決めてからは、ロサンゼルスから前回のヨーロッパでの撮影も共に行ったベスト中のベストメンバー、メイクアップアーティスト・ゲイビー・ラモス、ヘアースタイリスト・アル・イングラム、リードアシスタント・クリスチャン・エイリアス、衣装スタイリスト・ダイアナ・チャンを呼び寄せ、地元のドライバーと共に大きなバンもハイヤーしました。私達はソレントの小さな海岸の街に7つの小屋を借り、そこで合計5泊しました。

 

そしてついに大量の器材が運び出され、私はようやく撮影に集中することができました。普段の仕事場の撮影器材とほとんど同じものを使用することが出来たため、照明のセットアップに問題はありませんでした。 それでも私が一番誇りに思えたことはカプリのビーチでのロケーションです。カプリは小さな島(船を着けるドックや港もない)であるため、モーターボートを出来る限り島へ近づけ、そこから全ての器材を運び出すことになりました。そしてその器材を空気注入式のイカダに積み込み、私達は海に飛び込み、なんとか島へ上げることが出来ました。これは間違いなくかつて最も厳しく、同時に最も楽しい撮影を経験できた日でした。

 

撮影現場では、 ライトを岩に吊るし、空中に浮かせ、また動くボートにも括り付けました。クリスチャンは私がここからも撮影したがっていることを知り、私達全員が水の中や、岩の上で作業を行っている間に、浮かんでいるファイアーワイヤーとパソコンケーブルのためリグを作成し、島で準備しました。優秀なスタッフ達が普段通りの体勢で撮影しているのですが、みんな水着を着たり、水中にいるこの写真をみると笑みがこぼれます。これがその全ての写真家たちが望むショットを撮影したときの写真で、二度と忘れることのないワンシーンです。

 

かけがえのない撮影チャンスを与えてくれたSHOW、ローラ・ドレ、そしてこんなにも素晴らしい舞台裏写真を撮影してくれたクリスチャン・エイリアス、ダニエラ・ゲレーロ、ハイデン・フォニックス、スティーブン・フェラーリオ、J.P・モニトーラ、本当にありがとうございました!

 

フォトショップワールドにてマスタリングレタッチ デビュー!

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先週、フォトショップ・ワールドin オーランド、フロリダに出展者として参加し、多いに楽しませてもらいました。SlickforceStudioにとってコンベンションにブースを持つことは今回が初めてというわけではありませんでした(ActorFest、Glamourcon、Sci-Fiのことも長年の南カリフォルニアファンの方々は覚えているかもしれませんね)。しかしこれほどまでに大きいブースを持つことも初めてでしたし、国際レベルでの展覧会も初のことでした。またマスタリングレタッチのDVDボックスセットのデビューとしても、重要なコンベンションとなりました。

 

私達のブースに訪れてくれた、多くの友人、お客さん、ファン、広報の方々はもちろん、それと同様に多くの素晴らしい作品を目にすることができたのも非常に名誉なことに思います。私、個人的にも、長年オンライン上での関わりはあっても、実際には会ったことのなかった人たちにもお会いすることができました。 

 

今回のコンベンションには雑誌表紙を飾るエスター・ハヌカとエリカ・ジャクソン、マスタリングレタッチベータテスター・マット・ティモンズ、SlickforceStudioの裏の顔 ケビン・ セイバリースを率いる強力チームで参加しました。

 

マスタリングレタッチも大好評で、私達のブースでの商品全てを完売できたことをこうして発表できることは非常に誇らしく思います。新作第7弾「Exotic Features」もさらにシリーズに加えられました。

 

 NAPP 創設者スコット・キルビー(写真1)、レタッチの天才デイブ・クールドン、ベストセラー作家マット・クロスコフスキ(写真2)を含めたプロフェッショナル、また個人の友人も多く作ることが出来ました。私達はこうしてフォトショップワールドを盛大に楽しむことができました。そして今回お会いできなかったみなさんには今年のフォトショップワールドウエスト in ラスベガスでお会いできることを願っております!

 

キム・カーダシアン 2011 デュアルカレンダー写真

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キム・カーダシアンが私の最も好きなクライアントであることは今更述べる必要もないでしょう。そして、彼女に2枚の2011年盤のカレンダーの撮影を依頼されたときにも、考える必要などほとんど要りませんでした。今みなさんは、「なぜカレンダーが2枚もいるんだ?」と感じられているでしょう。いい質問です。

 

 昨年夏、キムがこれまでの完璧な美しいダークブラウンの髪を捨て、ブロンドに染め変えたときには大きな波紋を呼びました。そしてファンたちがキムの自然な姿を切望していた時、彼女は私を呼びました。「ファンのためにもダークブラウンに戻らなきゃいけない」、彼女は話しました。「でも元に戻す前にブロンドの姿も収めておきたいの!」

 

了解しました。イタリアでの撮影から戻って2日後、私はキムをスタジオへ呼び、2011年カレンダーを撮影しました。こちらから撮影時の彼女 の言葉もご覧になれます。その後、私が彼女に完成品を届けたとき、彼女に素晴らしいアイデアが浮かびました。「二つのカレンダーを作りましょう! 一つはダークブラウン、もう一つはブロンドで!」 これだから女性は強いですね。もう何でも売れます。

 

ショット #2の撮影は1月後半に予定されました。そしてついに、5回目の撮影を終えたとき、ついに彼女を満足させ、舞台裏撮影スタッフ(驚くとは思いますが、このスタッフは本当にどこにでも彼女のカメラを持ち合わせてるんです)に編集を頼むことができました。このショットは私とキムが話し合っているときに撮影された、本当にリラックスした瞬間を捕らえたものです。この写真から私達はどんな素晴らしいチームも実践している、個人の長所を生かすということを学びました。そして実際にキムも彼女のチームに素晴らしいスタッフを持っています。マリオ・デビバノビックのメイクアップは完璧で、フランキー・ペインの風の使い方はいつも私のお気に入りです。そしてモニカ・ローズのスタイリングには常に驚かされます。

 

カレンダープレビューのリリースを乞うご期待!

 

たくさんのプロダクションショットを撮影してくれたSlickforceの秘密兵器ジョイス・パーク、ありがとう!

 

回想: 2006, 10, 4 – ライブアクション絵コンテ MIRAGE

MIRAGE by S.L. Jones

I said I'm watching Gossip Girl, b*tch!

極稀に、私のスタイルを永遠に変えるプロジェクトに出会います。Mirageもそんなプロジェクトの一つでした。

 

私の友人でもあり、ライター/ディレクターでもあるステファニー・ジョーンズが私に興味深いコンセプトを 持ちかけました。彼女はメジャースタジオに手渡そうとしている新作映画の台本を持っていましたが、彼らのようなエンターテイメント産業では良くあるように、許可を出す重役本人はアーティストではないため、彼らの多くはこの台本がどう映像に表れるのかをイメージできずに許可をおろさない場合もよくあるのです。ステファニーはUSC 映画学校の卒業生(私と同じく)であり、これまでも撮影カメラマンとして私とともに仕事を行ったこともありました。そのため彼女は私に彼女の頭の中のものを受け止め、ビジュアル化してほしいと考えました。

 

このショットは強烈でした。この写真には8個もの違ったコンセプトが存在し、それぞれ異なった物体位置で、その上それぞれが複数の性質を含んでいます。動きのある写真においての美しさとは、一キャラクターから他のキャラクターへとイメージなどを移すことができることです。ですがその基には、全てのキャラクターを意識し続けるための深いフィールド意識が必要とされます。

 

シリーズの中でも一番思い出深いイメージとなった 「Alley Fight」として知られる作品(写真上)は、カメラからの距離2フィートから70フィートに12人ものキャラクターを含めたショットとなっています。またこれは夜の場面でのショットでもあり、これは100 ISOにもわたるフィールドを充分に照らすための大量の照明器材を必要としました。恐らくステファニーは私が何の不安も感じてはいなかったと思っているでしょう。でも実際には、彼女には「キャラクターの中6人は動きの中での一瞬(走っている最中やジャンプ中)を撮影してほしいから、スローシャッターは使えないわ」と話されました。プレッシャーは大好物です!

 

テクニック的な要望もあったため、このショットを1テイクのみで撮影するのは不可能だと割り切りました。F32 を100 ISOでの撮影って… … どうなるのかやってみようじゃないか! そこで私はクリエイティブに考える必要がありました。私は一旦カメラを置き、シーンを4つの段階(手前、真ん中、後方、周辺)に分けることから始めました。私はこのグリーンライトが合成のものに見えるのは避けたかったので、ここでは周辺のショットがキーとなりました。そのためには、実際この乱闘が起きたとすれば、光や影はどのように現れるのかを知る必要がありました。思考の結果、30秒撮りのカメラで撮影を行うことに決めました。そして、12人全ての役者を並ばせ、実際の映画のシーンのようにして、撮影しました。各役者が他の役者の影に入らないように常に意識しての撮影となりました。まずキャラクターの一をマークし、その後グループ毎に撮影を進めました。手前の撮影が残りの場面の基盤となるため最も重要なものだったため、まずはその撮影から取り掛かりました。その後真ん中のシーンの撮影に移りました。この場面は友人のアレックス・ウェン(The Matrix, Lethal Weapon 4)の担当するフルスタントシーンだったため、最も面白い撮影となりました。写真を見てもらえればわかると思いますが、私達は実際に真ん中の男性を空中に放り投げました。完全に反転してますよね! そして最後にトラックからの煙、路上の水溜りなどの含めた後方の撮影を行いました。そして完成品を周辺のプレートに合わせました。これは可能なときに風景の撮影を行っておくことが重要なもう一つの理由でもあります。

 

これはどちらかと言うと私の写真家としてのキャリアにおいては初期(舞台裏写真や動画を取り込む前)のものですが 、この非合成写真はまるで一連の物語を説明するかのようでもあります。結局、たった2枚のショットのもがグリーンスクリーンを使ったスタジオでの撮影となり、その他は上のフォームに似た、ロケーション合成のものとなりました。

 

このショットはフォトショップワールドのベスト合成部門において、最優秀賞を勝ち取ることができました。完成品の良さを引き出す結果となった ロケーション合成対スタジオでの後撮りによってこのような賞を受賞できたことを誇りに思います。

 

ビダ・ゲラ After Dark カバー写真 #100!

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Vida gets smokin' hot for our 100th Cover!

これまで常に私はビダとの撮影を楽しんできました。あまりにも自然なため、時には働いているということさえ感じないこともあります。彼女はそれほどのプロフェッショナルです。彼女は彼女の仕事をこなし、私は私の仕事をこなす。そうして私達は今まで1000回の仕事をともにしてきました。そのため今回彼女の雑誌出版社(今では彼女は自分のマガジンに自らタイトルをつけています)が今回の「after dark」というコンセプトを持ち私に連絡してきた際には、今までと何か違うなという感じがありました。

 

私はいつもビダだけでなく、他のすべてのモデルもスタジオやアウトドアの光の下での撮影を行っています。 ある時、1冊のナイトショット特集の雑誌にて技術的なクリエイティビティを求められることがありました。そこで私は以前使い古した映画撮影技術書が詰め込まれているカバンを開き、「夜の撮影」に関しての全ての書籍「煙霧機」「シルエット」「風景画」などを引っ張り出しました。

 

初日、私達はロサンゼルス のハイランズクラブを貸切り(雨がしとしとと降る日で、アシスタント、アシュリーはエスカレーターを滑り落ちることに)、撮影を行いました。閉館1時間前までは撮影は順調に進めることができました。カバー写真の撮影(スモークの中のキャバレー)を行っており、私達の煙霧機が煙感知器を狂わせる事態を巻き起こしてしまいました。もちろんLAFDには真剣に謝罪しましたが、どうしてその夜もクラブは閉館することはなく営業を続けたのかという疑問も残りました。

 

2日目、私達はスタジオシティを絶景とともに確保することに成功しました。ここのオーナーは…エキセントリックの表現が適切でしょう。この10月の冷え込む時期に私はビダに冷たいプールへと入るように強要しました(非情ですよね。承知しております)。その割には私の一番気に入ったショットはプール外での下着姿の1枚でした。アシスタントにバックグラウンドにスモークを作るように指示していましたが、強風が続き、すぐにスモークは飛ばされてしまうという状況が続きました。それでも強風の中に待機させ続けると、突然風邪が止み、スモークも停止しましたが、今回は霧が濃すぎてビダの姿が見えないという事態に。とりあえず、笑いのネタにもと試しに1枚撮影してみたところ、なんとも素晴らしいショットで一目惚れしてしまいました。なんとか彼女のシルエットを捉えており、また白い光に包まれています。マジック!

 

撮影中はそんなこと一切知りはしませんでしたが、実はこのカバー写真が私の100枚目の表紙となる撮影でした。そろそろ私のキャリアも振り返るためには充分なものとなってきていることもあり、こういった記録は私にとって、 一度立ち止まり、振り返って、そしてさらなる挑戦に向け再調整する素晴らしい機会でもあります。

 

フラッシュバック: 2008. 9. 28 – SHOWCase #2

SHOWCase 2 - Jesikah Maximus & Jessica Burciaga

Scorchers in the desert

プロダクションショット: SHOWCase #2は私がプロデュースする第4弾のフルマガジンとなりました。SHOW出版社もまさに私と同様に砂漠での撮影に興味があったようなので、私達はSHOWCase #1の続編を前編から60日以内で撮影を行いました。

 

私が映画撮影技師という バックグラウンドを持っていることを知っている方には、私がここまで現地撮影に興奮していることもそれほど不思議には思われないでしょう。というのも、撮影大好きなフォトグラファーであれば、毎日スタジオで撮影していと思う人なんていません。これはもう犬を家の外に放ち、好き放題走らせるようなものです。そのため、SHOWが盛り上がり続けるにつれて(一切途切れることなく)、SlickforceStudioからできる限り遠く離れた場所で撮影しようとしている自分がいました。

 

私は砂漠の一部(後にUltimate Graveyardとなる) を購入しましたが、なかなかその地に時間を費やしてはいなかったため、まだまだカメラを取り出す準備は整っていませんでした。そこで、Club Edという砂漠の中でも一番のお気に入りのスポットをDP に選びました。ここでは、マルティン・ローレンス、ティム・ロビンズをはじめ、ロブ・ゾンビによる「マーダーライドショー2」、「ナッシングトゥルーズ」など多くの映画撮影現場としても選べれてきた地です。

 

私が砂漠での撮影がここまで好きな理由は、まるで自分自身がA-game の世界に飛び込んだかのように思わせてくれるからです。水も無く、電力も無ければ、レストランも無いため、非常にタイトな撮影が求められます。私達はジェネレーターを持ち込み、もちろん超優秀なアシスタント達による撮影チームは一日中Antelope Valley 周辺での撮影に張り付いた状態でした(アシスタントのチェリーは当日のフライトまでの時間も迫っていました。チェリーごめんなさい!)。私は時々大規模な撮影で多くの宣伝などを得ることもありますが、一度も、最小限に抑えようと考えたことなどありませんし、私のスタイルではありません。私はこれまで、マイケル・ベイ、ジェームス・キャメロン、アントニオ・バーグラス、ハーブ・リッツらからディレクターやフォトグラファーとして常に多大な刺激を受けてきましたから。

 

SHOWCase #2のモデルらは遊び仲間のジェシカ・ブルシアガ、スーパースターモデル、ジェシカ・マキシマムスです。そこで私のチャプターフォルダーは「Jes²」と名づけました。彼ら二人とはこれまで数え切れないほどの雑誌を通じて仕事を行ってきました(J・マキシマムスと私はちょうど1年前のこの日はプエルト・リコでShow「In Paradise」の撮影を行っていました)。そのため、彼らがどれほど素晴らしいモデルかということも知り尽くしており、彼女らも私に完璧な信頼を置いていました。これはとても重要なことで、モデルがカメラマンを信頼していれば、彼らも本当に全力を尽くしてくれます。

 

彼女らは二人ともクレイジーな美体を持っており、J・マキシマムスが真っ赤に燃え上がるような髪で現れたのを見たときには、まるでコミック写真を撮るかのように 撮影をしようと決めました。私は彼女らをガスポンプの上でひざをつき、バケツの水を自らに注がせたり、トラック上を這わしたり、地面で転がらせたりなどを求めました。みなさん、この雑誌は本当に素晴らしいものになりました。ここまで私がイメージしたものが完璧に雑誌として現実に現れたものは、私が撮影してきたものでも初めてのことです。100ページにもわたる雑誌でこのような感想をもつことはそう簡単にはできません。そして、撮影時間は長時間(15時間)にわたり、関係者全員が疲れ果ててはいましたが、この撮影は私にとって過去最高に面白い撮影でした。恐らく2008年のうちでもトップ3には入る日でしょう。この日は私にとって、時に思い出として振り返り、そして子どもの頃に夢見た本当にしたいことを実現できたと感じることができる、他にない一日でした。

 

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